温泉の泉質10種類を徹底解説|効能・リスク・自分に合う選び方完全辞典
「うーん、この温泉、なんか合わないな?」
あなたはこう思ったことはありませんか。
温泉は、どこに行くかだけでなく、どんな泉質に入るかで体感がかなり変わります。
同じ「温泉に行きたい」でも、刺激が少ない湯が合う人もいれば、しっかり温まる湯や、殺菌力の強い湯が合う人もいます。 温泉を正しく選ぶには、まず泉質の違いを知る必要があります。
本記事では、療養泉に共通する適応症と禁忌症を前提に、10種類の泉質ごとの特徴、期待される効能、注意点、代表的な温泉地を一覧で整理しました。
温泉初心者の基礎知識としても、目的に合う湯を探す比較辞典としても使える内容です。
10種類の泉質別 効能・リスク完全辞典
前提知識:すべての療養泉に共通する適応症と禁忌症 個別の泉質を見る前に、すべての温泉に共通するベースラインを理解する必要があります。
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一般的適応症(すべての温泉で期待できる効能): 関節リウマチや腰痛症などの筋肉・関節の慢性的痛み、冷え性、胃腸機能の低下、軽症高血圧、自律神経不安定症、疲労回復など。
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一般的禁忌症(すべての温泉で避けるべき状態): 病気の活動期(特に発熱時)、進行した悪性腫瘍や高度の貧血など衰弱の著しい場合、重い心臓・肺・腎臓の病気、出血時、慢性病の急性増悪期。
1. 単純温泉
特徴
刺激がマイルドで、湯あたりしにくい泉質です。アルカリ性単純温泉はpH8.5以上で、肌あたりがやわらかく感じやすいのが特徴です。
泉質別適応症(浴用)
自律神経不安定症、不眠症、うつ状態。
代表的な温泉地
- 下呂温泉
- 由布院温泉
- 修善寺温泉
- 湯河原温泉
- 法師温泉
2. 塩化物泉
特徴
皮膚に塩分が付着し、湯上がり後も湯冷めしにくいのが強みです。保温・循環系の文脈で紹介しやすい泉質です。
泉質別適応症(浴用)
きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症。
泉質別適応症(飲用)
萎縮性胃炎、便秘。
注意事項
ナトリウム含有量が基準を超える場合、塩分制限の必要な病態(腎不全、心不全、肝硬変、高血圧など)の人は飲用禁忌です。
代表的な温泉地
- 熱海温泉
- 伊東温泉
- 城崎温泉
- 和倉温泉
- 皆生温泉
3. 炭酸水素塩泉
特徴
皮膚の角質をやわらかくする作用があり、いわゆる**“美肌の湯”**として扱われやすい泉質です。
泉質別適応症(浴用)
きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症。
泉質別適応症(飲用)
胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症(痛風)。
代表的な温泉地
- 嬉野温泉
- 榊原温泉
- 龍神温泉
- 平山温泉
- 湯の山温泉
4. 硫酸塩泉
特徴
飲用では胆のう収縮や腸のぜん動促進が期待されます。浴用では保温系・皮膚系の文脈で紹介されやすい泉質です。
泉質別適応症(浴用)
きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症。
泉質別適応症(飲用)
胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘。
代表的な温泉地
- 伊香保温泉
- 別所温泉
- 鹿教湯温泉
- 玉造温泉
- 山代温泉
5. 二酸化炭素泉
特徴
炭酸ガスが皮膚から吸収され、循環・保温に関わる作用が期待されます。ぬるめでも温まりやすいのが特徴です。
泉質別適応症(浴用)
きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症。
泉質別適応症(飲用)
胃腸機能低下。
代表的な温泉地
- 長湯温泉
- 有馬温泉(銀泉系)
- 壁湯温泉
- 小谷温泉
- 下風呂温泉
注記
温泉地全体でなく一部源泉・一部施設レベルで炭酸成分が特徴的なケースが多いです。
6. 含鉄泉
特徴
空気に触れると金色〜赤褐色に変色しやすいのが特徴です。鉄分の存在を視覚的に感じやすい泉質です。
泉質別適応症(飲用)
鉄欠乏性貧血。
代表的な温泉地
- 有馬温泉(金泉系)
- 花山温泉
- 上山温泉
- 赤湯温泉
- 三瓶温泉
注記
含鉄泉も複合泉・一部源泉差が大きい分野です。
7. 酸性泉
特徴
殺菌力が強い泉質です。刺激がはっきりしており、合う人には強く合いますが、合わない人には刺激が強すぎます。
泉質別適応症(浴用)
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、表皮化膿症、耐糖能異常(糖尿病)。
泉質別禁忌症(浴用)
皮膚または粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症の人は症状悪化のおそれがあるため入浴を避けてください。
代表的な温泉地
- 草津温泉
- 蔵王温泉
- 玉川温泉(秋田)
- 酸ヶ湯温泉
- 万座温泉
8. 含よう素泉
特徴
放置すると黄色く着色しやすい泉質です。日本はよう素の主要生産国で、よう素系の温泉は沿岸部にも見られます。
泉質別適応症(飲用)
高コレステロール血症。
注意事項
よう化物イオンが基準を超える場合、甲状腺機能亢進症の人は飲用禁忌です。
代表的な温泉地(例)
- 指宿温泉
- 南紀白浜温泉
- 館山寺温泉
- 湯河原温泉
- 熱海温泉
9. 硫黄泉
特徴
殺菌力が強く、独特のにおいがある泉質です。温泉らしさを最も感じやすい泉質の一つです。
泉質別適応症(浴用)
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症。
※硫化水素型の場合は「末梢循環障害」も追加。
泉質別適応症(飲用・浴用共通)
耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症。
泉質別禁忌症(浴用)
皮膚または粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症の人は入浴を避けてください。
代表的な温泉地
- 登別温泉
- 雲仙温泉
- 川湯温泉(北海道)
- 日光湯元温泉
- 那須温泉郷
10. 放射能泉
特徴
温泉に含まれる微量の放射能が炎症に対して作用するとされる泉質です。
泉質別適応症(浴用・飲用共通)
高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎など。
代表的な温泉地
- 三朝温泉
- 四万温泉
- 増富温泉
- 池田ラジウム温泉
- 三瓶温泉
あなたに合う温泉は何か
ここまでの内容をもとに次の旅の決定の一助になれれば嬉しいです。
※同じ温泉地でも、宿・共同浴場・源泉によって泉質は異なります。本ページの温泉地例は、各泉質の代表例・イメージしやすい例として掲載しています。実際に訪問する際は、現地施設の泉質表示をご確認ください。